なぜこんな状況が生まれたのか。石島秀起・東京都議(自民党)が語る。
「売れるならとどこでも売った不動産会社と、違法民泊対策が全くない東京都に問題がある。中央区の中国人人口は2倍強に急増しており、今後も違法民泊が増え続ける可能性がある。東京都に働きかけ、責任ある対応を取るよう訴えていくつもりでいます」
晴海フラッグ開発を主導した都に対策などを訊くと、概ねこう回答した。
「都は子育てファミリー層向けを中心としたまちづくりをコンセプトとして示している。(違法民泊など)敷地内での違法行為については、住民や管理組合が区や所轄警察署に通報していると聞いています」(都市整備局)
晴海フラッグの開発・販売に携わった三井不動産、三菱地所、野村不動産に見解を訊くと、3社とも以下の回答を寄せた。
「管理規約は、販売時に民泊禁止を定めた内容で案を作成し、管理組合様にて承認されております。管理規約に反する行為に対しては、管理組合様と管理会社にて相談のうえ対応しております。今後も必要に応じて関係各所とも連携しながら、適切に対応してまいります」
東京五輪のレガシーを都民の貴重な財産として未来に引き継ぐ──その理念が、チャイナタウン化する街からは跡形もなく消え去ろうとしている。
【プロフィール】
赤石晋一郎(あかいし・しんいちろう)/ジャーナリスト。「FRIDAY」「週刊文春」記者を経て2019年よりフリーに。近著に『韓国人、韓国を叱る 日韓歴史問題の新証言者たち』(小学館新書)、『完落ち 警視庁捜査一課「取調室」秘録』(文藝春秋)。『元文春記者チャンネル』をYouTubeにて配信中。Xアカウントは【@red0101a】。
取材協力/西谷格(ノンフィクションライター)
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※週刊ポスト2025年6月6・13日号