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島崎晋「投資の日本史」

明治政府の北海道開拓は「囚人労働」を経て「移民ブーム」で軌道に乗った その過程で生まれた「いももち」「豚丼」「ジンギスカン」ソウルフードの数々

北海道への移民ブームを起こした9つの「恩典」

【1】北海道は、地方費として毎年莫大な国庫補助を受けていること
【2】官有未開地の貸し下げを受けて開墾に成功すれば、誰でも1000坪1円(現在の4044円ほど)で土地払い下げを受けられること
【3】その土地は、払い下げの翌年より20年後でなければ地租・地方税を課せられないことと
【4】明治2年(1869年)以降有租地になった田畑および郡村宅地は、明治22年(1889年)より10年間は特に地租・地方税を免除されること
【5】地租は地価の100分の1であること
【6】所得税は官吏以外にはおよばないこと
【7】酒造税は一般税額の半額であること
【8】菓子・醤油および車税を免除されていること
【9】徴兵令は函館・福山・江差を除いて他地域に施行されていないこと

 一見して明らかなように、当時の日本全体から見れば“タックスヘイブン”ともいえる破格の好待遇だった。

 移民ブームを経て、ケプロンの提示した開拓案も、その大半がようやく本格軌道に乗るが、一方でそれは北海道の先住民であるアイヌが維持してきた自然との調和を第一とする生活文化との決別でもあった。自然は人間に征服されるべき存在、人間を自然界の頂点に立つべく神に選ばれた存在とするキリスト教的な考え方に屈したとも言えるが、ロシアの脅威から日本を守るためにはやむなき選択でもあったのかもしれない。

 開拓が進展する過程で、北海道のソウルフードと呼ぶべき名物が数多く誕生した。昨今のデパートで開催される北海道物産展はどこも大盛況で、3000円以上するような海鮮や牛肉弁当が飛ぶように売れているが、北海道まで足を運ばずとも美味美食を味わえるのは開拓の賜物である。

次のページ:いももち、豚丼、ジンギスカン…開拓とともに生まれた北海道のソウルフード

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