「オバ記者」こと野原広子さん
少子化が進むなか、女子校や女子大学が減少している。そんな現状について思うところを、体験取材を得意とする女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子氏が綴る。
農業高校の「女子クラス」で学んだこと
あの、いきなりナンだけど、あなたは女子校、または女子大出身ですか? それとも共学?
で、私はというと、卒業した茨城県立真壁農業高校(現・真壁高校)は7クラスのうち3クラス、女子生徒だけの「生活科」があって、廊下に出れば「農業」「畜産」「園芸」「食品」クラスの男子がいるという変則的な学校だったの。
男子とかかわらないでいようと思えばいられる環境で思春期の3年間を過ごしたので、お気楽な女子校の雰囲気はよくわかる。もっといえば、女の優しさも女の意地悪さも女の怖さも、この3年間で学んだのよね。その後ライターになり、男社会に入ったけれど、いろんな事情でアルバイトをすること十数回。そのたびに吸い寄せられるように女だけの職場に身を寄せた。
そりゃあね。女子だけの環境が不自然だとか不健全だとかいう意見があるのは百も承知よ。「女同士は面倒くさくてイヤ。男の方がさっぱりしていていい」と言う人もけっこうな数いるのも知っている。長く仕事をしていると、男特有の美点もわかる。それ以上に、男女差では片付かないことも山ほどあって、要はそれぞれの人間性ということ。それがちゃんとわかったのは50代後半の頃だった気がする。それでも私は女の中に入った方がくつろげるのはどうしたことかしら。