今年1~2月の点検でも「重大な不具合が新たに発生」したという(EVMJバス。撮影/加藤博人)
本誌・週刊ポストで追及してきた電気自動車(EV)バス販売のEVMJモーターズ・ジャパン(本社・北九州市。以下EVMJ)が4月14日、ついに事実上の倒産となった。その背景にあったと考えられるのが、最大の取引先と言える「大阪メトロ」からの“契約解除通知”だ。文書を独占入手した自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏が、その衝撃の内容をレポートする。
万博では一社独占採用
2019年設立の同社は「国内で製造組立を行なう国産EVバス」を謳い、全国の自治体などに300台以上を販売。昨年の大阪・関西万博では会場内と、駅や駐車場を結ぶシャトルバス150台が“独占採用”された。万博需要を見込んだオンデマンドバス40台と合わせた計190台を購入したのが大阪メトロ(大阪市高速電気軌道)だ。
しかし、EVMJは3C認証(中国の安全認証)を得ていない中国メーカーが製造した車体を並行輸入し、販売したに過ぎなかった。運用開始以降、万博会場を含む各地でEVMJバスの車両トラブルや事故が相次いだのは既報の通りだ。
2023年にはEVMJ内で品質や安全性に対する疑問の声が挙がっていたが、経営陣が耳を傾けなかったことがこれまでの取材で判明している。
相次ぐトラブルに、昨年9月、国土交通省は道路運送車両法に基づく「総点検」を指示。10月には同社に立ち入り検査も実施した(その後EVMJは計85台のリコールを届け出)。
万博でEVMJバスを運行した大阪メトロは、閉幕後、路線バスなどに使う予定だった190台の使用中止を決定。市内の大阪メトロ敷地内に100台以上が並ぶ「EVバスの墓場」が出現し話題となっていた。
今年3月には経営責任を取るとしてEVMJの社長交代が行なわれたが、事態は何ら改善せず、今回の倒産に至った。
「4月14日の民事再生手続開始の申請以降、本社からリースのフロアマットやウォーターサーバーが引き揚げられ、警備会社などからも『今後どうされますか?』との連絡が続々と入っています」(EVMJ社員)
