10年後に発展する駅ランキングで明暗分かれた勝どき(左)と銀座(写真:イメージマート)
都心部での大規模な再開発が相次ぎ、人口の流入も続いていることから“東京一極集中”が声高に叫ばれている。しかし、「東京」の中心部である23区の姿は、決して一様ではない。そして、不動産価格について将来を見通すうえでは区ごとの格差だけでなく、区内格差にも注目する必要がある。そのバロメーターになるのが「人口増減」だ。不動産コンサルタントのさくら事務所社長・山本直彌氏が言う。
「基本的に将来的に人口が増える地域にある不動産は価値が増し、逆に人口が減る地域の不動産は価値が下がります。それゆえ同じ区内にあるエリアでも人口増減数を見極めることが肝要です」
同一区内の未来を分ける3つの条件
そこで本誌『週刊ポスト』は不動産データをAIで分析するリーウェイズ社が算出した「駅ごとの10年後の人口増減予測」を基に、23区それぞれで人口増減数ベスト1とワースト1の駅を一覧表にまとめた。
そもそも同じ区内で人口が増えるところと減るところが交じるのはなぜか。山本氏は「同一区内の未来を分ける条件は主に3つある」と指摘する。
「1つめは『街のカラー』で、働く・遊ぶという性質が強い街ほど居住地として選ばれにくい。2つめは『交通アクセス』で、同じ区内であればより都心に近く、主要ターミナルへ乗り換えなしでアクセスできる駅が選ばれやすい。また単一路線・各駅停車しか使えない駅より、他路線へ乗り換え可能な駅や急行停車駅のほうが有利になります」
3つめの条件は「価格と立地のバランス」だ。
「価格が高騰してもパワーカップルがギリギリ手の届く現実的な価格帯を維持している地域は人口が増えます。しかし超富裕層しか住めない水準にまで達すると人口流入は頭打ちになりやすい」(山本氏)
地域の未来を左右する3つの条件の重要性は一覧からも読み取れる。千代田区、港区と並ぶ都心3区の一角である中央区のベスト1は「勝どき」で、ワースト1は「銀座」となった。
「勝どきの周辺は晴海フラッグなど大規模開発によるタワマン供給が豊富で住居用不動産が多く、BRT(バス高速輸送システム)の整備により交通利便性が劇的に向上。ファミリー層の流入が増え続けています。対して『銀座』やその周辺駅は商業やオフィスの再開発こそ盛んですが、ファミリー向け住居が圧倒的に不足しています」(山本氏)
住む街として開発された勝どきと、働く・遊ぶ街の筆頭である銀座のカラーの違いがそのまま人口予測に表われている。
