「集合住宅」特有のリスクも(写真:イメージマート)
人生100年時代ではあらゆる準備をしておきたい。「住まい」に関してもしっかり備える必要がある。
マンションの管理費が高騰
住民の高齢化で生じる問題は、築年数を経た集合住宅につきものだ。不動産コンサルタント業を手がけるさくら事務所の山本直彌・代表取締役社長はこう言う。
「分譲マンションの場合、建物の維持管理のための修繕積立金は築年数の経過により上昇する反面、所有者の収入は定年退職などを機に減るのが一般的。近年は建物の老朽化、それに伴う空室の増加が進み、修繕積立金不足が顕在化しています」
そうしたマンションでは、大規模修繕計画を実施するために修繕積立金の増額が避けられないケースがほとんどだ。
多くの場合は、新築時から徐々に徴収額を増額する「段階増額積立方式」が採られているが、それでも不足するケースが相次いでいる。築20年ほどの比較的新しいマンションでも、修繕積立金が1.5倍から2倍程度まで引き上げられるケースが珍しくない。加えて、近年は管理費も高騰が続く。管理会社が「人件費」などコスト上昇を理由に契約金額の改定を求めるケースが増えているからだ。
「修繕積立金や管理費の増額は管理組合の総会で決議されますが、否決、または審議すらされなければ必要な修繕が行なえず、居住性や資産価値のさらなる低下を招きます」
エレベーターやオートロックなどの修繕ができなければ安全面の不安が生じる。管理人の業務縮小で不在時間が増えれば、ゴミ捨て場などの管理が行き届かず風紀の悪化も懸念される。
「最悪の場合は、マンションの“スラム化”に繋がる可能性もあります」
