発売前から大きな注目を集めたNintendo Switch 2(Getty Images)
企業の売上高・販管費・営業利益といった決算データから、その会社の経営戦略を見通すこともできる。音声メディア「voicy」で配信する「10分で決算が分かるラジオ」が人気の「妄想する決算」氏は、決算データを読み解く際に「何を・どこで・どのように」と「分解・比較・なぜ」の視点を用いるようおすすめしている。具体的にどう見ればよいか? 前編に続き後編もクイズ形式で決算データの活用法を紹介する。【前後編の後編。前編から読む】
※若手会社員・一ノ瀬君との会話形式で構成される妄想する決算氏の新著『数字から企業の「リアル」がわかる! 未来を読み解く決算書』(高橋書店)より一部抜粋・再構成
問題:任天堂は2025年6月にスイッチ2(Nintendo Switch 2)を発売したが、発売前後の利益率はどうなるか?
一ノ瀬君:よし、任天堂も「何を・どこで・どのように」から考える。
妄想さん:では「何を・どこで」はどうなりますか?
一ノ瀬君:任天堂のゲームは世界中で人気って聞くから、ゲームを世界で作って売っている企業と予想できる。
妄想さん:「どのように」についてはどう考えます?
一ノ瀬君:ゲームにはハードとソフトがあるよね。ハードは精密機械だから単価が高いけど利益率は低そう。ソフトは単価が低いけど利益率が高いんじゃないかな?
妄想さん:コストについてもいっしょに考えられていますね。そうなると、質問についての答えがもう出せますね。
一ノ瀬君:新ハード発売前と発売後を比べると、発売後には売上が増えるけど、利益率の低いハードの売上で利益率が悪化する。どうだ!
妄想さん:ビジネスモデルを正しくイメージできていますね。実際にゲーム企業はソフトの利益率が高いです。しかし、ソフトを売るためにはハードの普及が欠かせません。ハードが1万台しか売れていなければ、ソフトは売れても最大で1万本ですよね。ハードを普及させるために、ハード自体はかなりの低利益もしくは赤字でも販売されることがあります。
一ノ瀬君:これまで見てきた、「赤字でも販売する理由」が任天堂のハードにも当てはまるんだね。商品によっては赤字でもいいから売ってもいい、というビジネスモデルはたくさんあるね。
妄想さん:ちなみに、新ハードの発売後だけでなく発売前も利益率は低下することが多いです。
一ノ瀬君:ええっ?! そうなの?
