本業以外でも大きな利益を出している「ファーストリテイリング」
決算で発表される営業外損益や特別損益。こうした本業以外の損益についてはどう読み解けばいいだろうか。
決算データをビジネスや投資に活用するなら、「ざっくりとした理解のほうが有効です」というのは音声メディア「voicy」で配信する「10分で決算が分かるラジオ」が人気の「妄想する決算」氏。営業外損益や特別損益といった本業以外の稼ぎをどう見ているのか?
若手会社員・一ノ瀬君との会話形式で構成される妄想する決算氏の新著『数字から企業の「リアル」がわかる! 未来を読み解く決算書』(高橋書店)より一部抜粋・再構成して、「本業以外の損益の考え方」について紹介する。
むりに区別して覚えなくていい「営業外損益」と「特別損益」
妄想さん:ここからは本業以外の損益を見ていきましょう。どんなものがあったかイメージできていますか?
一ノ瀬君:「営業外損益」と「特別損益」だよね。利息のように毎期支払ったり受け取ったりする本業以外の損益が「営業外損益」で、土地を売却したり火事になって工場が被害を受けたりするときのように一時的なものが「特別損益」。
妄想さん:完璧です。ただ営業外損益や特別損益を覚える必要はないと考えています。本業以外にも利息、為替、株の売却など業績を動かす要因は複数ありますが、それを「継続的なもの」と「一時的なもの」の2つに分けて考えられれば充分です。
一ノ瀬君:営業外損益と特別損益はむりに区別して覚えなくてもいいってこと?
妄想さん:個人的にはそのほうがいいと思っています。会計基準という決算書を作るルールは複数あって、「営業外損益」や「特別損益」という考え方自体がないものがあります。さらに、利益や損失をどの利益区分に入れるかは会計基準によって違っています。細かく覚えるほど逆に混乱するので「活用」を前提にすると、ざっくりとした理解のほうが有効です。
一ノ瀬君:へえ、決算書を作るためのルールって1つじゃないんだね。
妄想さん:そうなんです。会計は「考え方の世界」なので、採用された考え方によってルールは変わります。その細かな違いは「決算書を作る側」にとっては重要ですが、「決算書を活用する側」にとってはそこまで重要ではありません。
一ノ瀬君:なるほど。「活用する側」でいる限りは覚えなくていいこともあるんだね。
