借地権が設定されているマンション
一般的な分譲マンションは土地も建物も区分所有者が所有する形になりますが、近年「定期借地権」と呼ばれる権利形態のマンションが増えてきています。これは土地を所有せず決められた期間借りて建物を所有する形態です。一般的な所有権マンションとは仕組みが大きく異なるため、メリット・デメリットがそれぞれ存在します。
まずは借地権の種類から整理します。借地権には「普通借地権」と「定期借地権」の2つがあります。いずれも土地を自ら所有するのではなく借りることは共通していますが、更新の有無や建物の取扱が異なります。
【普通借地権】
普通借地権は、原則として当初借地期間が30年で設定されます。借地期間が満了になっても、地主側が更新を拒否する正当な理由がなければ、土地を借りている借地人の希望によって契約を更新することが可能です。また契約終了時に借地人が建てた建物が残存している場合は、地主に建物の買取請求をすることができます。
【定期借地権】
一方、定期借地権は文字通り「期限付き」の権利です。あらかじめ定められた借地期間が満了した際は更新ができず、必ず地主に土地の返還が必要になります。また地主と事前合意している場合を除き、更地にして土地を返却するため、建物の解体費用は借地人側の負担になります。
定期借地権マンションのメリット
【1】税金が不要
土地を所有しないため、土地部分の固定資産税や都市計画税といった税金が不要になります。ただし注意したいのは、土地部分の税金以上に後述する地代や解体準備金といったランニングコストがかかることです。そのため、税金が不要とはいえ、トータルの月額負担は所有権マンションより増えることがほとんどです。
【2】物件価格が安い
物件を所有できる期間に限りがあることや毎月のランニングコストが高くなることから、物件価格が同条件の所有権マンションと比べても、安く設定されているケースが一般的です。借地期間の長さ(おおむね50~70年)によっても変わってきますが、所有権の85%~90%程度の価格になっていることが多いです。
定期借地権マンションのデメリット
【1】地代がかかる
土地を借りているため、毎月「地代」が発生します。土地や地主によって金額は異なり、数年ごとに地代を見直すケースもあります。中には「前払い地代」という形で物件価格に将来支払うべき地代を包含しているマンションもあります。その場合は毎月支払う地代が抑えられたり、支払いが不要になりますが、購入価格はその分高くなります。
【2】解体準備金がかかる
定期借地権では、土地を更地にして返すのが原則のため、借地期間満了までに建物の解体が必要になります。解体には費用がかかるので、その資金を毎月積み立てるのが「解体準備金」です。極稀に地主が建物解体することなく土地返却を許可しているケースがあり、その場合は解体準備金の積立は不要です。首都圏の事例だと「ドレッセタワー南町田グランベリーパーク」が該当します。ただしこれは例外的なケースで、基本的には解体準備金が必要になります。
【3】所有権と比べて物件価値が下がるスピードが早い
定期借地権は居住できる期間に限りがあることから、所有権以上に築年数の経過とともに物件価値が下がる傾向にあります。特に借地期間が35年を切ってくると「35年の住宅ローン」が使えなくなることもあり、価格の下落幅が大きくなりやすいです。
この点は将来的な売却を検討する際は注意が必要です。