「援助してほしい」と言われたけど…(イラスト/大野文彰)
配偶者も子供もいない人が亡くなった場合、両親や祖父母など直系尊属、または、兄弟姉妹が相続人となる。直系尊属や兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、その子供(亡くなった人の甥・姪)が代わりに相続することになる。では、兄弟姉妹が存命でも遺言で甥・姪を相続人に指定した場合、遺産の扱いはどうなるのか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。
【相談】
アメリカ在住の兄が亡くなったと姪(私の姉の子)から連絡が来ました。兄に子供はおらず、奥さんが数年前に亡くなったため、親しかった姪が相続人になったとのことで、その書類もあります。
ゴミ屋敷となっていた兄の自宅や仕事用倉庫の片付け費用、兄夫婦名義の残ローンなどを姪が立て替えており、その費用を私と姉に援助してほしいと言います。姉は90代で認知症、私は年金暮らしですが、法的責任はありますか。(東京都・主婦・82才)
【回答】
話を整理すると、あなたには姉と兄がいて、兄はアメリカで死亡し、あなたの姪が兄の相続人になり、遺産の始末にかかった費用の援助を姉とあなたに求めているということですね。
しかし、現にお姉さんが生存しているので、その子供である姪がお兄さんの相続人になることはありません。書類があるとのことですが、お兄さんが親しかった姪に財産の遺贈に関して何らかの遺言を残したのだと思います。その遺贈が包括的な遺贈か、個別的な財産の遺贈かでお兄さんのローン等の負債の負担への対応が違ってきます。
