閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
ビジネス

「地面師」取材の第一人者・森功氏が「Netflixはやり過ぎ」と一蹴 『地面師vs.地面師』で迫った主犯格カミンスカス操の正体

ドラマの地面師像は「やりすぎ」

 森氏は、水谷氏と共演したトークイベントで、ドラマで描かれた地面師像と現実との違いにも触れた。Netflixドラマの『地面師たち』では、地面師グループの首領がなりすまし役を次々と殺害する描写があるが、森氏は「やりすぎ」だと一蹴。実際の地面師たちは、殺せば詐欺罪よりも遥かに重い刑罰が下されることを知っているため、逃がす算段こそすれ、手を下すことはない。「詐欺師は長く服役したくないから、そこまではやらない」(森氏)というのが実情だという。

 こうした違いに加え、フィクションとノンフィクションの現実の差を考えるうえで興味深いのが、登場人物を実名で報じる森氏の姿勢だ。

 前述のイベントで水谷氏から「実名で書くことに怖さはないか」と投げかけられた森氏は「実名が基本。匿名にすべきは被害者やネタ元であって、追及すべき対象を匿名にするのは筋が違う」と即答。今回唯一「横沢」を仮名にしたのも、本人に直接接触できず、取材意思が伝わっていることを確認できなかったためだと明かす。実名報道にはリスクがつきまとうというが、「実名で書けなければやめるくらいの覚悟でないとダメ」と語り、ノンフィクションという仕事への強い矜持をのぞかせる。

『地面師vs.地面師』は、(ドラマの原作・参考文献となった森氏の著書『地面師』の)単なる続編ではない。獄中から届いた「私は無罪です」という訴えを入口に、日本最大級の地面師事件をもう一度掘り起こし、主犯格であるカミンスカスの人物像を問い直す作品になっている。

 一人の詐欺師の言葉をどこまで信じられるのかという問いに森氏はどのように向き合ったのか。本書最大の魅力はそこにある。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。