もう耐えられない…(イラスト/大野文彰)
煙やにおい、騒音などが近隣住民への迷惑になりやすい住宅地でのバーベキュー。どこまでが受忍限度といえるのか。また、それを超えたと判断したときには慰謝料の請求が可能になるのだろうか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。
【相談】
近所の家では週末になると庭でよくバーベキューをしていますが、焼いた肉や煙のにおいが洗濯物につき、ひどいときには洗い直しをしています。また、笑い声や話し声がうるさくて窓を開けることもできません。
一度それとなく注意したのですが、一向に改善されず困っています。これ以上続けばがまんの限界です。訴えて慰謝料を請求することはできますか。(東京都・主婦・54才)
【回答】
におい・音・煙は日常生活で不可避の現象ですが、不必要な悪臭や騒音を出して周囲を悩ませると問題になります。しかし、普通に生活しているなかで発生するこうした「生活公害」に対処する法律はありません。においには悪臭防止法、騒音には騒音規制法、煙には大気汚染防止法がありますが、どれも事業活動に伴う悪臭等を規制する法律で、私人の活動を対象としていないのです。
しかし、生活公害も規制の対象に含める条例が制定されている自治体もあります。たとえば、ある市の生活環境の保全等に関する条例では、ばい煙(物の燃焼などに伴い発生するススなど)や悪臭を発生させる木材等の燃焼行為は「何人」もできないとし、違反して市長の中止勧告に従わないと中止命令を受け、さらに違反すると50万円以下の罰金で処罰されます。
ところが、例外として「周辺の生活環境に与える影響が軽微である燃焼行為として規則で定めるもの」は規制されておらず、その規則で「バーベキューその他屋外レジャーにおいて通常行われる燃焼行為であって軽微なもの」が除外されています。
