『マツケンサンバ』が流行った時と同じ感覚
“全力系”に惹かれるのは若者だけではない。埼玉県在住の会社員女性・Cさん(40代)は、大学生の娘と一緒にモナキの動画を見るようになった。
「最初は娘がTikTokで見つけて、『この人たち面白いよ』と見せてきたんです。歌謡曲っぽいし、振り付けも表情も全力で、最初は『何これ?』って笑っちゃいました。そこで娘から、『純烈のリーダー・酒井一圭さんがプロデュースしているアーティストだよ』と教えてもらって、『なるほどね!』と納得。何回かYouTubeで見ているうちに、私のほうがハマってしまって(笑)」(Cさん)
モナキは2026年、「TikTok上半期トレンド大賞2026」の大賞も受賞している注目のグループだ。コンサートの現場には老若男女のファンが訪れることでも知られる。
「親子で同じ動画を見て楽しめるのがいいんですよね。最近は、政治のニュースを見れば不安になる話も多いし、物価高も生活に直結します。そんな時に、観客を盛り上げようと全力で歌って踊っている姿を見ると、『もう難しいこと考えず楽しめばいいか』と思えるんです。かつて、『マツケンサンバ』が流行った時と同じ感覚で見ていますね」(同前)
都内在住の主婦・Dさん(60代)も、20代の娘をきっかけにM!LKにハマった一人だという。
「最初は娘に教えてもらって、『俳優やってる子がいるグループね、他の子もイケメン揃いじゃない!』と興味を持って(笑)。音楽番組をチェックするようになったら、毎回、とにかく全力で頑張っている姿にグッと来ちゃって。
ふざける時も全力だし、見ている人を楽しませようとしているのが伝わるんですよ。世の中が暗い空気のなかで、娘と同世代の若い子たちが全力で頑張っているのを見ていると、親心で応援したくなっちゃいますね。親子で一緒に応援できる安心感も人気のポイントだと思います」(Dさん)
もちろん、皮肉や冷笑そのものが消えたわけではない。むしろSNSを開けば、他人の趣味や流行を揶揄する言葉はいくらでも流れてくる。だからこそ、その反動として“全力系”が求められている風潮もあるのかもしれない。物価高や将来不安が簡単には消えない時代、「娯楽くらい、楽しんだ者勝ち」という感覚は、若者だけでなく世代を超えて広がっているようだ。