アミレバとハイボールの黄金過ぎる組み合わせ。文句のつけようがない
豚、牛、そしてラーメン
レバーをアミ脂で巻いた、アミレバが出てきた。ケンちゃんは初めてみる一品だろう。さっそく網にのせ、焼きすぎないよう細心の注意を払った。
「これは、初めての味ですね。アミ脂の中はレバーですよね。コリっとしていて独特。これも奇跡の味ですね」
感動している。その気持ちはよくわかる。
続いて出てきたのは、牛ハラミだ。これも格別の味がするだが、さらにその後には、また豚に戻って普通のシロをもらった。シロコロとシロはたしかに違う。けれど、この店のシロのうまさは群を抜いていると私は思っている。いつだったか、一度だけ、ふたりで来たがシロコロホルモンが1人前しか残っていなかったことがあった。そのとき、シロはいかがですかと丁寧にすすめられ、それに乗ったのだが、このとき、シロもまた格別だと発見したのだ。
豚に負けてられない牛ハラミ
ケンちゃんはメガハイ、私はレギュラーサイズの角ハイを1杯、2杯とお代わりしていく。牛ハラミが、そしてシロが、うまい。
ああ、3人、4人で来ればもっとあれこれ頼めるのに――。日ごろあまり喰わない私がそんなことを思うのは、店にみなぎる元気に触発されてのことだろう。
入店から2時間を過ぎた頃だったか。ラストオーダーの声がかかった。混雑する週末の時間制は当然のことだ。締めの1品にする。
ルーツはラーメン屋であるからして完璧な一杯である
ラーメンである。ホルモンで有名な店なれど、ラーメンもすばらしい。あっさりとした醤油味。意外にスルリと腹に収まってしまう。
私は半ラーメン、ケンちゃんは半チャーシュー麺を平らげて、店を出た。
腹をさすりながら駅へと歩く。
さて、次は、いつ来ようか……。満腹になったばかりなのに、早くも次の来訪に思を馳せた。
平日は16時開店。予約は3人以上から可能だ(「酔笑苑」神奈川県厚木市中町3-2-21)
【プロフィール】
大竹聡(おおたけ・さとし)/1963年東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒。出版社、広告会社、編集プロダクション勤務などを経てフリーライターに。酒好きに絶大な人気を誇った伝説のミニコミ誌「酒とつまみ」創刊編集長。『中央線で行く 東京横断ホッピーマラソン』『下町酒場ぶらりぶらり』『愛と追憶のレモンサワー』『五〇年酒場へ行こう』『酒場とコロナ』など著書多数。「週刊ポスト」の人気連載「酒でも呑むか」をまとめた『ずぶ六の四季』や、最新刊『酒好きの記』が好評発売中。



