搬送・安置と葬儀全体を依頼する葬儀社を分ける際の注意点
重要なのは、搬送・安置の依頼と、葬儀全体を依頼する葬儀社を分けて考えることです。終活セミナーの講師を務めた時によく受ける質問と回答を、以下Q&A形式で挙げておきます。
【Q】搬送が終わった段階で、葬儀社を替えられるのか?
【A】正式な依頼をしていなければ、替えられます。契約書や見積書にサインをしてしまうと断りづらくなるので注意してください。断る場合、搬送・安置など、すでに受けたサービスの費用を精算する必要があります。
【Q】搬送を担当した葬儀社の施設に故人の遺体を安置している場合でも、替えられるのか?
【A】替えられます。私は別の葬儀社に遺体を安置しているご遺族の方から依頼を受け、専用車両でその葬儀社に乗り込み、遺体を「奪還」したことがあります。前科者が多いと噂の葬儀社でした。強面の年配のスタッフに「いい根性しているね」とボソッと言われたときは、震えました。
こんな風に葬儀社スタッフがたとえ気まずい思いをしようとも、納得できる葬儀社に依頼することが最も大切です。遺族が心配する必要はありません。
【Q】搬送した葬儀社に、すでに火葬場の予約をしてもらっているが、その時点でも葬儀社を替えられるのか? また、火葬場の扱いはどうなるのか。
【A】火葬場の予約は基本的に早い者勝ちなので、搬送終了後に搬送を担当した葬儀社が予約することがあります。その後葬儀社を変更した場合、火葬場予約時の担当葬儀社の変更登録をする必要があります。
この変更登録はどちらの葬儀社が行っても構いません。私は火葬場の予約が済んでいる状況で、3回乗り換えてもらったことがあります。相手の葬儀社と火葬場の承諾を得て、火葬場の予約日時はそのままで、担当葬儀社名だけ変更してもらいました。火葬場の変更は調整が必要になるので、できるだけ早めに申し出てください。
【Q】死亡診断書を渡してしまったけど、「返却してもらう」ことは可能なのか?
【A】亡くなると医者が「死亡診断書」という書類を発行します。これを役所に提出すると火葬許可書が発行され、火葬場に提出すると火葬が可能になります。
この一連の手続きを葬儀社が代行することが多いです。中には他社に乗り換えられないようプレッシャーをかけるため、早い段階で遺族から預かる葬儀社もいるようです。葬儀社側も他社に乗り換えられるリスクを意識しているということですね。当然死亡診断書は遺族のものなので、他社に依頼することになったと伝えれば返してもらえます。
次回は、複数の葬儀社から見積書を取り寄せて比較検討しながら、最終的に葬儀社に依頼するまでの具体的な手順を解説します。
▼▼▼第3回記事▼▼▼
【つづきを読む→】葬儀社選び「セカンドオピニオン方式」実践編 見積もりの依頼は24時間可能、条件を揃えて比較…説明を受ける際のポイント
【プロフィール】
赤城啓昭(あかぎ・ひろあき):1級葬祭ディレクター。葬儀業界歴約30年。運営する「考える葬儀屋さんのブログ」は月間45万PVを達成し、ライブドアブログ OF THE YEARを受賞。近著に「子供に迷惑をかけないお葬式の教科書」。テレビ、新聞、雑誌、YouTubeなどでも葬儀現場の正しい情報をわかりやすく発信中。
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