中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

ネットニュース黎明期に集ったライターたちはこんな面々だった

 これまで「ネットごとき」みたいなことを言われていた身としては、週刊誌の記者としてキチンとした実績のある方々が参加してくれたのはかなり意外だったのですが、彼らがこのオファーを受けてくれた理由は後に分かるようになります。

 とはいえ、毎日8本の記事を出すにはまだ人が足りない。そこで声をかけたのは、学生軍団でした。母校のプロレス研究会の後輩に声をかけ、ネットの炎上案件のリポートやら、「歌舞伎町とお台場と秋葉原にゴキブリホイホイを仕掛けた」などの、「やってみた」系のアホなネタを次々と書いてもらうことにしたのです。彼らには週刊誌記者のようにスクープを取ってくる力はないものの、体を張って何かをすることはできる。そして、時間だけはあるため、ネットをウォッチし続けることもできます。通常のバイトよりは割の良いギャラを払うことで、進んでやってくれました。

「企画が通らない……」そんな不満を持つ人が続々と

 ライターとして学生バイトを確保できたのはまぁ、理解はできるでしょう。しかし、プロの記者がなぜここまでたくさん入ってくれたのか。それは、ネットニュースが、彼らが普段から持っている若干の仕事の不満の受け皿になったからです。

 紙メディアの場合は、企画会議に持ち込んだネタのすべてが通るわけではありません。ページ数が限られているだけに、ボツになるものは多い。しかも、自分が本当に好きでたまらないものを企画として出したとしても、「それはお前の趣味だろ」であしらわれてしまうケースも多い。

 契約記者の皆さんはそんなフラストレーションを抱えていました。そんな中、「とにかく記事本数を増やしたいから、何でもいいから書いてくれ!」という編集者が現れたのです。彼らは熱心に自分の好きなことを書き続け、原稿を日々送り続けてくれました。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。