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「老後貧乏」にならないためにフル活用したい公的サービスの数々

 傷病手当金は、実は退職した後も受け取れる。

「資格喪失日、すなわち退職日に働いていないことなどの条件がありますが、退職後も受給し続けられます。ただし、雇用保険の基本手当との併給はできません。ハローワークで失業保険の受給を先延ばしする延長手続きをしておきましょう」

 60代以降になると、介護を必要とする人も増える。

「1か月の自己負担額(原則1割)の合計が、一定の上限を超えた場合、申請すると払い戻される『高額介護サービス費』を活用しましょう。

 介護サービスのうち、在宅・地域密着型サービスは、要介護度に応じて月ごとに支給限度額が設けられており、超過分を『上乗せサービス』といいます。基本的にこれらは全額自己負担となりますが、高額介護サービス費は、申請すれば一定の上限を超えた分が払い戻されます」

 そのほか、介護保険を使いこなす裏ワザとして挙げられるのが「世帯分離」だ。

「これまで親と同一世帯にしていた人は、親と別の世帯として住民登録をすれば、世帯所得が下がり、介護費用負担が減ることがあります。現役世帯と同居しているなどで、世帯全体の所得が高い場合は、検討してみるのもよいでしょう」

 さらにお得なのが、「高額医療・高額介護合算療養費」制度。医療保険と介護保険の両方を利用する世帯の場合、自己負担額が高くなりがちだが、そうした状況を防いでくれる仕組みだ。医療保険と介護保険の自己負担額を合算し、限度額を超えた場合に適用になる。

 資産寿命は、あらゆる方法で延ばすことができる。「老後貧乏」を避けるために、今日から取り組んで、安心できる老後に向けて準備してほしい。

※女性セブン2019年6月27日号

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