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命と生活を守るために… 家族・親族と「絶縁」する方法

 ただ、それらの対応をしても、法的に家族が絶縁したわけではない。いくら逃げても、法律上は家族のままだ。子は親きょうだいに対して「生活扶助義務」という扶養義務を負う。親や兄弟が生活に困った時は支援をしなければならないというのが世間の常識でもあり、実際、親が生活保護を申請した場合、役所から子供に「扶養できるか」の確認がくる。

「生活扶助義務は、自分の社会的地位に見合った生活をした上で、なお余裕がある場合に、相手に最低限の生活を維持させる義務に過ぎません。自分の生活に余裕がなければ、金の無心だって無視していいし、生活保護の親を支援する必要もなく、ましてや親の借金の肩代わりをする必要などないのです」(佐藤さん)

 唯一、法的にも親子関係を絶縁できるのは、15才未満の子供が親と縁を切る時だけだ。

「他人と『特別養子縁組』を結ぶことで、実親やきょうだいと法的に絶縁できます。今までは原則6才未満の子に適用されていましたが、今年4月から施行される新民法では、上限年齢が原則15才未満と大きく引き上げられました。本人の意思確認も充分に考慮されますので、育児放棄や虐待に悩む子にとっては朗報です」(椎葉さん)

 江田京子さん(仮名・60才)はこんな悩みを吐露する。

「姑との折り合いが悪いです。もし病気がちの夫に先立たれ、その後も姑が生きていた場合は、姑の介護を続けないといけないのでしょうか。そもそも“家族”を続けるのもイヤなんですけど……」

 そのケースでは「姻族関係終了届」を本籍地または住所地の市区町村役場に提出するだけで、法的に縁を切ることができる。いわゆる「死後離婚」だ。義父母らの同意は必要なく、自分の意思のみで提出できるという。

「ただし、自分は義父母と縁切りができても、自分の子供は義父母らと血のつながる血族なので、縁を切ることができないことには注意が必要です」(椎葉さん)

 また、江田さんが心配していた義父母の介護は、そもそも義務ではない。死後離婚の手続きをしなくても、必ずしも介護をする必要はないのだ。実際に家族と絶縁に至るのはレアケースだろう。しかし、「いざという時には縁も切れる」と知っていれば、家族のさまざまな問題に正面から向かい合う「心の余裕」ができるというものだ。

※女性セブン2020年1月30日号

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