キャリア

大学生になっても仲良しグループの同調圧力から逃れられない若者たち

 集団の圧力を感じるのは、なにもLINEグループだけではないという。国立大学に通う女性Bさん(21歳)は、こう語る。

「大学に入る前から、推薦入試で合格したメンバーがSNSで知り合って、事前にオフ会的なことをしていました。そこで仲良くなった5人組で一緒に入学式に行ったり、その後もランチを一緒にしたりしてきました。ただ、数か月経つと『この子と一緒にいるのはキツイ』と思う側面も見えてきて、ずっと一緒に行動する必然性がないと気づく。

 みんなそれに気づいているけれど、今さら別のグループに入ることもできず惰性で行動している感じです。講義前に『一緒にトイレ行こう』は当たり前。以前、カフェで売っていた雑貨が可愛くて、一人でレジに持っていき購入したら、グループの女子が『私も買う! じゃあ5人でお揃いにしよう!』と全員一緒の文房具を使うことに。小学生のノリですよね……」(Bさん)

 こうしたコメントを見ると「女性は集団行動が好きだから……」と考える人もいるかもしれない。しかし、男子学生の間でも、同様の状況は存在する。都内の私立大学に通う男性Cさん(19歳)は、次のように指摘する。

「集団行動しないと大学に居づらいというのは女子だけじゃないですよ。自分から見ると男のほうが一緒に行動していますね。たとえば『ラクロスサークル』『テニサー』『落研』などサークル単位で一緒に講義を受けたり、学科の仲良いメンバーでつるんだり。固定のメンバーで全部同じ講義を取って、結託してテストを受けて、講義後も一緒に飲みに行く。あとバイト先も同じとか普通にいます。服も『俺もそのブランド、お揃いにするわ』とか、ありますし」(Cさん)

 本来、大学は友人作りを強要されたり、ましてや集団行動を強いられる場所ではないはず。自由に学びたい講義を受講し、一人の時間を大切にすることもできる貴重な4年間を、グループの同調圧力で悩む時間にしてしまうのは、もったいないかもしれない。

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