専門医にかからないと誤診の可能性も
心配した子供が「病院に行こうよ」と言っても、「私が認知症になるはずないでしょ」と嫌な顔をされることもある。そんなときは言い方を工夫してみるのも手だ。
「『物忘れが多いから病院に行こう』ではなく、『いまはしっかりしているけれど、物忘れが増えたら大変。いまは認知症の進行を予防できる治療もあるから、一度診てもらおうよ』と伝えてみると受け入れてもらいやすい。忘れ物が多いというマイナス面を強調しないのがコツです」(井関さん)
それでも頑固に拒否されるケースもあるかもしれない。ただし、だまして病院に連れて行くのはNGだ。
「健康診断だと嘘をついて連れてくるご家族もいらっしゃいますが、医師はご本人とコミュニケーションをとりながら、日常生活で困っていることはないかなどいろんな話をします。あくまで診察の対象はご本人ですから、嘘をついていれば診察するのが難しい」(井関さん)
病院は「日本認知症学会」か「日本老年精神医学会」の専門医にかかるようにしよう。
「最近は多くの病院で“物忘れ外来”などの看板をかかげていますが、専門医にかからないと、認知症やMCIの診断は難しい。高齢者に多いうつ病も認知症に似た症状が表れるので、誤診されて認知症薬を出されてしまうこともあるから注意が必要です」(井関さん)
※女性セブン2020年3月19日号