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中村メイコの終活 大豪邸を手放すきっかけとなった夫の言葉

長女のカンナ(左)が住む家も以前より近くなった(共同通信社)

長女のカンナ(左)が住む家も以前より近くなった(共同通信社)

 大の買い物好きで「東京のイメルダ夫人」と呼ばれた中村だけに、引っ越しの際に処分した靴や衣類はトラック7台分に達した。

「どうしようか迷ったのは、思い出の品々です。主人や(作家の)吉行淳之介さんからもらったラブレターはもの書きをしているカンナに預け、(江利)チエミちゃんと(高倉)健さんが結婚したときの写真は『ごめんねー』と言いながらはさみで切って断捨離しました。ただ、大親友だった美空ひばりさんにまつわるものは最後まで捨てられませんでした」(中村・以下同)

 子供が独立して老後を迎えてから、がらんとした自宅を手放し、終の棲家としてサイズダウンした住まいに引っ越すのは有効な手段だ。

 中村は「老人はコンパクトな生活で充分」と語る。

「引っ越し先の広さは前の家の3分の1ですが、移動が楽になり、キッチンの使い勝手もよくなった。しかも昨年、大腿骨を骨折して足が不自由になったので、狭い家になって本当に助かりました。以前は何百万円もした毛皮のコートを持っていましたが、いまはなんの未練もありません。年を取ったら過去を引きずらず、ものを減らすことが大事。もう断捨離、断捨離ですよ」

 妻が骨折してから、夫の善行さんは毎日病院を見舞い、退院後は自宅で料理を作るようになった。米寿を迎えた夫の最近の口癖は「ぼくがきみを看取って2~3日後に、すぐ天国に追いつくからね」だ。

 一般に家が狭くなると、夫婦の「距離感」が変わるとされる。近づくか遠くなるかは夫婦しだいだが、中村の場合はさらに蜜月になったようだ。

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