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遠野なぎこ、宮崎美子も 「お墓はいらない」という選択が増える背景

コロナの影響で約8割が葬儀を簡素化

コロナの影響で約8割が葬儀を簡素化

家のお墓を代々相続し続けられるか?

 終活という言葉が市民権を得て久しいいま、なぜその先の“お墓”はいらないと考える人が増えているのか。

『0葬──あっさり死ぬ』(集英社)の著者で宗教学者の島田裕巳さんによれば、「お墓を持たなくてもいい」という考え方が少しずつ広まり始めたのは、ここ20年ほどのことだという。要因の1つは、少子高齢化だ。

「子供が減ったことでお墓を引き継ぐ人がいなくなったり、高齢になって遠方の墓参りに行けなくなったりすれば、手入れがゆきとどかなくなり、維持が難しくなる。そのため最初からお墓を持たないことが、選択肢に入るようになってきました」(島田さん)

 エンディングデザイン研究所の井上治代さんも、お墓をめぐる現状をこう語る。

「伝統的な石のお墓を購入する人は確実に減っています。いまの日本は価値観が多様化し、未婚者が多く、離婚してひとりになる人も少なくない。家のお墓を代々相続し続けられるのか、先がわからない状況にあります」

 子供に遠くまで墓参りに行かせたり、檀家として寺とのつきあいを続けさせたりするなどの負担をかけたくない──悩んだ末、お墓の購入を断念する親も少なくない。都内に住む主婦の青木清子さん(仮名・68才)がため息をつく。

「先祖代々のお墓は千葉にあるため、お墓参りはいつも一日仕事になります。定期的に行かなければ墓石は汚れ、雑草も生え放題。コロナ禍にもかかわらず半年に1度は夫に車を出してもらって行っていますが、負担も大きい。子供は独立して遠方に住んでいるし、私が死んであのお墓に入っても維持してくれる人はいるのだろうかと不安になり、墓じまいを考えています」

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