キャリア

「ドキュメンタリーの東海テレビ」を牽引する阿武野プロデューサーが語る仕事論

 作品を商品として消費するんじゃなく、多少観るのは不便ですけどよろしくって、まずはこちらがきちんと手渡し、向こうも応えてくれる関係性が、ここ20年でようやくできてきました。一時はマスゴミと呼ばれるほど壊れかけた視聴者との信頼関係が、ドキュメンタリーを通じて、再構築できつつある実感があるんです」

 メディアが人と人を繋ぎうるのも信頼があってこそ。その再構築を、今はドキュメンタリーが担いつつあるらしく、わかりやすくなど全然ない現実のゴロッとした感触にテレビマンたちの誠意と願いを読み取りたい。

【プロフィール】
阿武野勝彦(あぶの・かつひこ)/1959年伊東市生まれ。同志社大学文学部卒業後、東海テレビ入社。報道局アナウンサー、ディレクター等を経て、現在役員待遇ゼネラル・プロデューサー。芸術選奨文科大臣賞等受賞多数。また『平成ジレンマ』『青空どろぼう』『死刑弁護人』『長良川ド根性』『約束』『ホームレス理事長』『神宮希林』『ヤクザと憲法』『ふたりの死刑囚』『人生フルーツ』『眠る村』『さよならテレビ』『おかえり ただいま』と現在13作を数える一連のドキュメンタリー劇場で2018年に菊池寛賞。181cm、76kg、B型。

構成/橋本紀子 撮影/黒石あみ

※週刊ポスト2021年8月13日号

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