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コロナ禍の「お酒の飲み方」への懸念 酒量が増えて心身蝕まれる例も

「広子か。こんばんは」

 4年前に59才で亡くなった大酒飲みの年子の弟は、夜になると電話をしてきた。最初はマトモを装っているけど、やり取りをしているうちに言動のおかしさに気づく。それを咎めると、今度は朝、飲んで電話をかけてきた。「酒なんか飲んでねえべな」と言い張った受話器越しの声を、なんと言ったらいいのだろうか。

 お酒が夜だけのものならいいけど、昼酒になるとおかしくなる。胃がんと診断される直前まで、大工だった弟は、仕事がない日は朝から飲んでいた。

 私だってこのままコロナ禍が続いたら、いつまたスルリとお酒が日常に入り込んで、何かの弾みで昼から飲むようになるかもしれない。

 やったことがある人ならわかると思うが、お日さまの下で飲むお酒はただ美味いだけじゃない。背徳の味がする。

 繁華街を歩いていると、「朝から飲めます」と看板がかかっている居酒屋が目について仕方がない。

【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。

※女性セブン2021年8月12日号

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