住まい・不動産

何かあったときは家を売ればいい? だが現実は甘くない

 老後の資金を得るために、マンションを抵当に入れることで、住み続けながらその評価額を毎月分割して受けとる『リバースモーゲージ』という方法があるが、ファイナンシャル・プランナーの八ツ井慶子氏は、“地獄のマンション”ではそれも難しいという。

「老後資金が少ない人に提案する手段なのですが、評価額が購入時よりも減れば、当然融資額もそれに応じて減額されてしまう。評価額が一定以下だと、審査が通らないこともあります。

 住み続けても、引き継ぐ人がいなければ維持費や固定資産税ばかりがかさむ“負の財産”になりえます」

 看取りサポート事業を行なっているチャプター・ツー代表の三村麻子氏はいう。

「『自宅を売却して施設に入りたい』という人は多いですが、思っていたような値段で売れないケースがほとんど。妻に先立たれ、認知症になったのちにマンションの値が下がり、売れないゴミ屋敷で亡くなった方もいました。『何かあったときに家を売ればいい』と思っている人は少なくないですが、元気なうちに、親身になってくれる不動産屋さんをみつけて相談すべきでしょう」

 マンションの処遇で死に方まで変わってしまうのだ。

※週刊ポスト2016年10月7日号

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