住まい・不動産

ずさんな家の補修工事 業者に返金を求めるにはどうすればよいか、弁護士が解説

そんなにかかるはずはないと思うのだが…(イラスト/大野文彰)

そんなにかかるはずはないと思うのだが…(イラスト/大野文彰)

 家の補修工事を頼んだはいいが、仕上がりが明らかにずさんだった──そういった場合、工事費用を返金してもらうには何をすればいいのだろうか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。

【質問】
 強風の影響で実家の屋根の瓦が吹き飛ばされました。その少し後に突然、修理業者が訪ねてきて、屋根にブルーシートを掛けて補修してくれたのですが、父は約20万円も支払ったそうです。その後、別の業者に修理をお願いしたところ、補修はブルーシートをテープで貼り付けただけだったとわかりました。そうしたずさんな工事に20万円もかかるはずはありません。いまからでも返金してもらうことはできますか。(茨城県・49才・アルバイト)

【回答】
 屋根の修理を業者にしてもらう取引は「請負契約」です。業者が個人宅を訪問して請負契約を締結すると、業者が営業所以外で有償で役務提供をする取引として特定商取引法の定義する「訪問販売」になります。

 訪問販売をした業者は、客から契約の申し込みを受けたときには、この法が定める一定の事項を記載した書面を交付するか、もしくはそれらの事項を網羅して契約書を作成する義務(法定文書の交付等の義務)があります。

 客はこの法定文書をもらった日から起算して8日以内であれば、書面で通知することで契約の申し込みを無条件で撤回できます(クーリングオフ)。法定文書には、業者の氏名・住所、役務の種類、対価の額などだけでなく、客がクーリングオフができることなども記載されていなければなりません。

 そこでまず、お父さんが業者からもらっている書面の確認をしてください。書面の交付などがない場合や、また書面があっても、例えばクーリングオフができることの記載がない不完全なものであった場合は、いまからでもクーリングオフができます。

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