吉田みく「誰にだって言い分があります」

想像と違った? 都内で一人暮らしを始めた大学新入生・新社会人たちの「お金の現実」

 欲しいと思ったら我慢せずに買うのには理由があるという。ワタルさん曰く「社会人になれば毎月決まった額の収入が入る」から。今は月8万円弱のバイト収入しかないが、入社後は月の手取りで20万円ほどが支給されるという。ワタルさんはこう希望を語る。

「今だけ乗り切れれば何とかなると思っています。会社の先輩からは、『頑張り次第でボーナスがたくさんもらえる』と聞いているので、支払いに困ることはないのではないでしょう。せっかくの一人暮らしですので、自分が納得できるものにしたいですね」

 ところがよく聞くと、ワタルさんは引っ越し後の生活費の支払いが追いつかず、既に2か月分の家賃を両親に肩代わりしてもらっていた。そのことで実家の両親は激怒しており、「もう借りることはできない」と嘆くワタルさん。状況によっては、消費者金融から借り入れすることも考え出したという。

 そんなワタルさんだが、あえて次に買いたいものを聞くと、高級腕時計ブランドの名前が挙がった。「資産にもなるし、仕事でも使えるので近々絶対に欲しい」そうだ。

 コロナ禍で冷え切った経済を回復する動きが本格化する以前に、物価上昇などの影響が生活に影響を及ぼし始めている。この先、働く人すべての賃金が上がるかどうかは未知数で、希望に満ちた春、というわけにはいかなそうだ。

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