キャリア

ほとんどの人が“負け組”になる時代、「生涯現役」が求められる理由

 ミニマリズムは、人間関係にも応用できる。

 橘さんは、世の中のわずらわしいことをテクノロジーが解決したといえるいま、最後に残った“解決できないもの”は人間関係だと話す。SNS上で気に入らない人をブロックするように、嫌な人間関係を絶つだけでも、人生の幸福度は劇的に上がる。

「ネットが普及して他者とのかかわりが薄く広くなると、『家族』という濃く深い人間関係がより大きな影響力を持つようになります。

 これまで、家族は互いに支え合う“最後の砦”と考えられてきましたが、最近はそんな幻想も崩れつつある。“家族の介護がつらい、やりたくない”という書き込みに“私も同じ”と共感が広がり、“母親が憎い”“わが子に腹が立つ”といった、以前では非難されたであろう声にも、多くの共感が集まっています。“自由に生きたいから、親の介護はプロにお金を払って任せる”と、家族の役割をアウトソース(外部委託)することも当たり前になるでしょう」

 この先、期待しない生き方を始める上で大切なのは、優先順位を明確にすることだ。

「限られた時間を有効に使って満足な人生を送るには“自分にとってゆずれないものは何か”を見極める必要があります。仕事、お金、食事、趣味、夫婦の時間など、どれかを優先すれば、ほかのことに割く時間がなくなります。だとしたら、優先順位の低いものはアウトソースするか、高望みせずにほどほどで済ます。すべてを平均的にこなすより、大切なものに全力を投入する方が、ずっと幸福度が上がると思います」

 何に期待しないか考えるのは、何に期待するか考えることでもある。

 あなたにとってゆずれないのは、お金か、家族か、趣味か、それ以外か──本当に大切な1つだけ守れれば、それでいいのだ。

※女性セブン2022年6月30日号

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