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鉄道はなぜ「鉄の道」になったのか? 「石畳の道路」から始まった変遷史

石畳を通る馬車。ドイツ・ベルリンにて筆者撮影

石畳を通る馬車。ドイツ・ベルリンにて筆者撮影

 そこで人類は、路面に石を敷き詰め、車両が通行しても轍ができにくい道路をつくりました。これが「石畳(いしだたみ)」であり、車両の通行を容易にする舗装道路の原点と呼ばれています。イタリアには、紀元前に造られた石畳の道路が存在します。

 ただし、路面のすべてに石を敷き詰める(舗装する)には、多くの石(材料)が必要となります。もし車輪が通る場所だけ舗装することができれば、材料を節約できます。

脱線を防ぐための仕組み

 このためヨーロッパの炭鉱では、地面の上に木のレールを敷き、そこに木の車輪をつけたトロッコが使われるようになりました。これによって、採掘した鉱石を効率よく運ぶことが可能になりましたが、木のレールや車輪は劣化しやすいという弱点がありました。

 そこで、木の代わりに鉄が使われるようになり、鉄レールの上を鉄車輪が転がるという走行システムの基礎ができあがりました。ただし、現在の走行システムに至るまでには、車輪がレールから離れる「脱線」を防ぐ工夫が必要でした。

「脱線」を防ぐには、車輪またはレールに「フランジ」と呼ばれる凸部(つば)をつける必要があります。

脱線を防ぐ「フランジ」

脱線を防ぐ「フランジ」

 1804年にイギリスで世界初の蒸気機関車「ペナダレン号」が初走行したときは、車輪ではなく、レールに「フランジ」が付けられていました。

 いっぽう1830年にイギリスで世界初の営業鉄道「リバプール・アンド・マンチェスター鉄道」が開業したときは、車輪に「フランジ」が付けられていました。このあと、車輪に「フランジ」をつけた鉄道が世界に広がり、現在に至っています。

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