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電車の運転士の掛け声「出発進行!」の本当の意味 「これから出発するぞ」ではなかった

「列車を発車させてよいか」を確かめる動作

 結論から言うと、これは誤りです。正確には「出発進行」は「これから出発するぞ」ではなく、「出発信号機の現示が進行である」という意味なのです。

 ここで「出発信号機」や「現示(げんじ)」という聞きなれない言葉が出てきたので、それぞれ説明しましょう。「出発信号機」とは、駅構内に設けられる信号機の一種であり、駅から出発する列車に対して信号を現示するものです。「現示」とは、信号機によって示される現在の状況、または列車に対する指示のことです。

 日本の鉄道では、おもに「進行」・「注意」・「停止」という3つを「現示」する出発信号機が使われています。なお、2つ、4つ、5つの現示がある出発信号機も存在します。

3つを現示する出発信号機(色灯式信号機)。JR京都駅にて

3つを現示する出発信号機(色灯式信号機)。JR京都駅にて

 ざっくり言うと、先ほどの3つの「現示」には次のような意味があります。

【進行】
信号機の先に進んでよい
【注意】
減速したうえで、信号機よりも先に進んでよい
【停止】
信号機を越えて進入してはならない

 色がついたランプが点灯する「色灯式信号機」では、「進行」は緑色、「注意」は黄色、「停止」は赤色のランプが点灯します。

 ここで「出発進行」の話に戻りましょう。

 運転士が発車直前に前方を指差して「出発進行」と言うのは、先ほども述べた通り「出発信号機の現示が進行である」ということを、前方にある出発信号機を指差し、声を出して確認しているのです。つまり、「列車を発車させてよいか」を確かめるための動作をしていたのです。

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