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コロナ禍やウクライナ問題よりもっと根深いところにある世界的なインフレの原因

アメリカやユーロ圏では、日本以上に物価高が進んでいる

アメリカやユーロ圏では、日本以上に物価高が進んでいる

 物価高が止まらず、家計は苦しさを増している。だが、これはまだまだ序の口かもしれない。11月18日に公表された日本のインフレ率(消費者物価指数)は、前年同月と比べて3.7%上昇した。一方、アメリカは7.75%、ドイツはなんと11.6%だ。諸外国から見れば、いまの日本は、たった4%程度で悲鳴を上げているということになる。

 そもそも、物価は「需要(必要性)」と「供給(世の中に出回る量)」の関係で決まる。

 必要なモノが少ししか出回らなければ、当然「お金をいくら出しても欲しい」と考える人が増え、物価が上がる(インフレ)。逆に、世の中にモノがあふれていれば必要性が下がり、物価も下がる(デフレ)のが普通だ。

 世界経済に詳しい、リーガルコンサルティング行政書士事務所代表の浅井聡さんが言う。

「2000年代、中国をはじめとする新興国が急成長したことで、需要に供給が追いつかず、インフレが加速しました。一方、このとき日米欧などの先進国は低成長になり、モノが余ってデフレが目立つようになったのです」

 そして2008年のリーマン・ショック以降、デフレから脱却して経済を適正に発展させるため、先進国では2%前後のインフレ率に引き上げる金融政策が行われてきた。

 それがいま、これほどまでに急激にインフレが進んでいるのはなぜか。明治大学政治経済学部教授で経済学者の飯田泰之さんが説明する。

「過去30年間、各国の主要企業は、よいモノをより安く、効率よくつくるため、生産拠点を世界中に分散させて、世界を股にかけた供給網『グローバルサプライチェーン』を築いてきました。ところが、その供給網の一部が中国やロシアといった権威主義国家と結びついたことで、コロナ禍やウクライナ問題で世界的に供給が滞ってしまった。これによって、需要に供給が追いつかず、世界中で物価が上がっているのです」

 30年かけて構築されたシステムを新しくするのは容易ではない。この世界的なインフレは、数年で解決できるようなものではないのだ。

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