ライフ

収入のない主婦が知っておきたい離婚の知識 別居中の「婚姻費用」は慰謝料より高額

調停・裁判で認められる「離婚の条件」5

調停・裁判で認められる「離婚の条件」5

離婚前に財産を隠されてしまうケースも

 離婚が成立すれば、婚姻費用とは別に、財産分与が必要になる。原則、婚姻期間中につくった財産はすべて、夫婦で半分ずつに分けなければならない。

「預貯金や自宅のほか負債などもすべて合算し、プラスになった場合は、その金額が半分ずつになるように分けます。例えば、共有財産の合計金額が2000万円だった場合、“夫は1000万円の預貯金、妻には評価額1000万円の自宅”などといった分け方もできます。どちらが何を受け取るかは協議が必要です」(日原さん)

 このため、夫婦の財産をあらかじめ把握しておくことが重要になる。相手がどうしても離婚に応じない場合は、財産分与を放棄したり、慰謝料を減額したりすることで譲歩し、離婚を承諾させることもできる。

 一方で、離婚前に財産を隠されてしまう場合もある。夫婦問題研究家の岡野あつこさんが言う。

「離婚に際して財産を分けたくない夫が海外口座にお金を隠していたり、生命保険の受取人をこっそり妻から母親に変更したりするケースもあります」

 未成年の子供がいる夫婦の離婚は、親権でも争いになりやすい。11月には、離婚後も夫婦で子供を育てられる「共同親権」の導入に関する中間試案がまとめられた。両親が別れても、子供の親であることは一生変わらない。だが、不貞を働いたり、暴力やモラハラをしてくる夫なら、二度とわが子を会わせたくないと思うのは自然なことだ。

「親権には、子供と一緒に暮らして面倒を見る『身上監護権』と、子供の代理人として金銭的な責任を負う『財産管理権』の2つがあります。子供と一緒に暮らしたいという思いがあるのでしょう。しかし、法案次第ではありますが、共同親権を得たところで、今度は“どちらが身上監護権を得るにふさわしいか”という、新たな争いを生むだけ、という可能性もあります」(日原さん)

 岡野さんは「結婚と離婚、どちらを選ぶか」ではなく、別居という選択肢も視野に入れてほしいと話す。いまの相手と一緒に暮らすか、一度離れてみるか。本当に幸せになるために、慎重に、抜かりなく動きたい。

※女性セブン2023年1月1日号

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。