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「日清ラ王」の限定「トリュフ醤油」も話題に 500円クラスの高級カップ麺市場は定着するのか

スープに浮かぶ黒いペーストに「黒トリュフ」が使用されている(写真提供:日清食品)

スープに浮かぶ黒いペーストに「黒トリュフ」が使用されている(写真提供:日清食品)

「他の安いカップ麺とは違う」高額商品にするための工夫

 こうした高級路線を開発するメーカーは、どんな戦略を描いているのか。マーケティングアナリストの渡辺広明氏はこう見る。

「今、メーカーは高額商品の開発に力を入れている。原材料、燃料費の高騰で商品を値上げしたいのだが、(そもそも低価格商品の)カップ麺は許容される値上げ幅がそれほど大きくない。ただ、今後はコスト上昇分を反映したしっかりした値段で売りたいという思惑がある。そこでいままでほとんどなかった500円という価格帯の商品市場を開拓していきたいということでしょう」

 乾燥具材が入っていないのも高額商品にするための工夫だという。

「乾燥具材が入っていると一気にチープ感が出て他の安いカップ麺と同列に見られてしまう。あれは自分で好きな具材を入れてください、という商品なんです。そういうスタイルをつくっていこうというメーカーのチャレンジですよね」(同前)

 確かに、店の味と遜色ない麺とスープを食べるなら、せっかくだから好きな具材を入れて楽しみたいと思う。ちょっといいラーメンを店で食べようとすると1000円ぐらいするので、500円のカップ麺に、自分で卵や肉、野菜を足しても、店で食べるよりは安価だ。そう考えたら「これはアリ」というネットの感想もうなずける。

「高付加価値商品をどう生み出していくかというのは、多くのメーカーの課題。爆発的に売れなくても試していくことが大事ですから、チャレンジを続けてほしい」と渡辺氏は言う。

 消費者としても家に居ながらにして本格的な味を楽しめるとなれば、ちょっとがんばったときの自分へのご褒美的な一杯として選択肢に入ってくるのかもしれない。

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