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「1キロ弁当」などで話題の「キッチンDIVE」 店内ライブ配信で売上増、「万引きも減った」とクマ店長

「キッチンDIVE」で目を引く横断幕は、店のコンセプトを直球で伝える

「キッチンDIVE」で目を引く横断幕は、店のコンセプトを直球で伝える

 東京・亀戸駅から徒歩数分、牛丼やカレー、総菜を提供するチェーン店が点在する中食激戦区で、個人経営の弁当屋に今日も行列が並んでいる。「キッチンDIVE」の店頭に並ぶのは、巨大な1キロおにぎりや揚げ物がごはんを覆い尽くす激盛り弁当。コロナ禍で中食需要が増えた時には月に1800万円を売り上げた同店の繁盛の裏には、「ゆるさ」と「したたかさ」があった。

 亀戸の本店がオープンしたのはリーマンショックの影響が続いていた2010年。「クマ店長」の愛称で親しまれる、オーナーで店長の伊藤慶さんは、100円バーガーの行列を見て同じように低価格で行列ができる店を作ろうと思い立ったという。

「この場所に出店を決めたのは駅近というのもありますが、深夜でも交通量が多い大通り沿いで、24時間営業でも集客が見込めると考えたからです。タイミングよく物件を安く借りられたのもラッキーでした。もともとここは銀行のATMが入る予定だったのですが、白紙になってしまったようで、家賃を10万円も下げてもらえたんです」(伊藤さん、以下同)

 平日の昼時は近隣住民や近くで働く人、18時を過ぎると駅から出てくる仕事帰りの人、そして24時を過ぎると運送業やタクシーのドライバーが立ち寄り、立地の良さは確かに24時間活きている。しかしそれだけでは月間売り上げ1800万円は達成できるものではない。遠方や海外からの客まで訪れる店に育て上げたのは、10年以上前から、伊藤さん自ら「クマ店長」として積極的に情報を発信するSNSだ。

「ツイッターで、“○○万リツイートで総額300万円ギフト券プレゼント”“○○万リツイートで1キロ弁当を半額”などの企画を打ち出してきました。一定のフォロワーは実際にお客様として来店してくださるので、売上の確保につながります。ファンのようにお店を応援してくださる方もいらっしゃって、リクエストに応じてメニューを試作することもあります。ツイッターを見たアニメ制作会社の方から連絡が来て、キャラクターを使った弊店のポスターも作りました」

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