住まい・不動産

コロナ禍を経て“憧れの地”に返り咲いた東京 最大の優位性は「子供の未来に対する選択肢」の指摘も

キッザニアの存在に衝撃を受ける

 大学進学とともに上京した、『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』の著者・麻布競馬場さんも、地方よりも東京の方が、得られるチャンスが圧倒的に多いと話す。

「上京して13年経ちますが、いまの時代であっても東京の優位性は揺らいでいないと肌で感じます。確かにAmazonやNetflixを通じて全国どこでも同じものが手に入るし見ることができるけれど、体験や経験は別だと思う。たとえばぼくが好きな美術館めぐりも、東京にいれば“はしご”ができるけれど、地方都市のほとんどは県立の美術館1つしか選択肢がない。仕事も同様です。

 特にぼくが衝撃を受けたのは、東京には子供向けの職業体験テーマパークの『キッザニア』があること。地元だと仕事といえば銀行や新聞、ガス会社勤務とか、中小企業の社長くらいしか見えてこない。だけどキッザニアには証券会社のブースまである。いまの東京の最大の優位性は子供のときから未来に対する選択肢がたくさん与えられていることではないでしょうか」

 選べる未来が豊富な一方、居場所を見つけられなければ生きにくい場所でもある。

「東京は地元で勝ち上がった人たちが決勝戦をするような場所でもある。そこで努力した末に生き残って人間関係の輪の中に入ることができればどこよりも生きやすいと思います。一方でそれが叶わなかった人にとってはこのうえなくつらい街でもある。だけど、だからこそ東京をとりまく物語がドラマになりうるのだと思います」(麻布競馬場さん)

 東京タワーは遠いからこそ美しいのかもしれない。

※女性セブン2023年2月16日号

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