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『定年後』著者・楠木新さんに「70代で終活を考えるのは時期尚早」と思わせた出来事

楠木新さんは60歳から74歳までの「黄金の15年」を大切にしている(撮影/イワモトアキト)

楠木新さんは60歳から74歳までの「黄金の15年」を大切にしている(撮影/イワモトアキト)

 その後、とある講演会で、私が映画『PLAN 75』の内容を説明して「もし、映画『PLAN 85』だとすれば、皆さんの受け止め方に違いはありますか?」と聞いてみると、会場の雰囲気が一瞬ピリッとなりました。

 85歳という前提であれば安楽死のことが一瞬頭をよぎったのかもしれません。いずれにしても70代で終活を考えるのは時期尚早だといえそうです。

聴講者は75歳以降の生き方に関心

 私は、2017年4月に出版した『定年後』という本で、60歳から74歳までは、「黄金の15年」と名付けました。この期間を充実して過ごすことが人生において非常に大切だということを主張したのです。

 この年代はまだまだ心身ともに健康な人が大半で、現役の時に比べて細かいことを指導する上司もいなくなり、仕事における責任もぐっと楽になります。また家族に対する扶養義務も軽くなります。もちろん親の介護で大変な人もいますが、背負う荷物はかなり軽減されるのです。

 私はよく地方公共団体や地域の社会福祉協議会、高齢者に学びの場を提供している各地のシニア大学から講演を依頼されます。参加者は概ね60代が3割、70代が6割で、残りが50代と80代という構成になることが多いようです。

 そのため、74歳までの「黄金の15年」の話だけでは、訪れた人々の関心に応えられません。「黄金の15年」の後半に入った68歳の私も、70代半ば以降をどう過ごすかに興味が移りつつあります。

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