いま働いているならできるだけ長く、専業主婦ならひとりになってからも始めやすい仕事を見つけておきたい(イメージ)
厚労省の「国民生活基礎調査」(2024年)では、55.8%もの高齢者が「生活が苦しい」と答えた。女性が老後貧乏にならないためには、家族をあてにせず自分ひとりでも暮らせるだけの“自分資産”をつくっておくのがいちばん安心。何があっても、誰も頼らなくても生きていけるようになれば、何も怖くないはずだ。【女性のための「自分資産」の作り方・第3回】
仕事選びは給与より「長く働けるかどうか」
自分資産づくりの柱は年金の「繰り下げ」で受給額を増やしながら、余剰資金を「資産運用」で増やすこと。そして、この2つを支えるのが「可能な限り働いて収入を得ること」。いま働いているならできるだけ長く、専業主婦ならひとりになってからも始めやすい仕事を見つけておきたい。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが語る。
「50代以降は、自分の体力や家庭の事情に合わせて柔軟に働ける仕事を見つけてほしい。スーパーなどの販売や清掃業などは定番ですが、働きやすさと安定性を兼ね備えた、自治体が募集する仕事もおすすめです。役所や公民館、学校といった公共施設の嘱託職員は随時募集しており、地域に貢献しながら収入を得ることができます」
求人の多い介護職は体への負担が大きい一方、医療事務などのデスクワークなら、高齢になっても比較的続けやすい。
専業主婦歴が長いと、外に出て働くことに抵抗感や不安を抱く人も多いが、そんな人にはフリーランスとして働くこともおすすめだ。『ひとりで自分資産はつくれる 52歳からお金を貯める・増やす』の著者で社会保険労務士の井戸美枝さんが語る。
「スキマ時間で月2、3万円を稼げるだけでも大きな安心感につながります。またセカンドキャリアのために資格を取る人も増えていますが、野菜ソムリエなど収入につながらないものも多いので、資格ならなんでもいいわけではありません。どうせ取るなら高難易度の資格を。収入を増やすには、マンション管理士など不動産関連の資格がおすすめです」
ファイナンシャルプランナーや簿記などの資格があれば、オンラインで個人向けサービスやミニセミナーを開いて収入を得ることもできる。ほかにも、趣味を生かしてハンドメイド品を販売したり、ポイ活やフリマアプリも立派な副業だ。
