マンション選びで失敗しないために気をつけるべきポイントは(写真:イメージマート)
マンション購入では、価格や広さ、間取りだけでなく「将来売りやすいか」という視点も欠かせない。駅から遠いバス便マンション、旧耐震マンション、定期借地権マンションは、条件次第で割安に見える一方、リセール時に買い手が限られやすい側面がある。購入前に知っておきたい注意点は何か。著書『絶対に失敗しないマンション購入の教科書』が話題の人気マンションブロガー・2LDKさんが、リセールバリューの観点から気をつけるべきマンション選びのポイントについて解説する(同書より一部抜粋して再構成)。
バス便マンション
駅まで徒歩20分以上かかり、最寄り駅までバス移動を前提とした立地のマンションは注意が必要です。駅から離れれば離れるほど競合物件が増えるだけでなく、戸建ての数も増えます。よってマンションだけでなく戸建てと競合するケースが増えることになります。
駅遠マンションを検討する層は立地の利便性よりも、部屋の広さなどの住環境を重視する子育てファミリーが多いです。そして、戸建てはマンションと比べて「音を気にしなくていい」、「より広い居住空間を確保しやすい」、「駐車場が目の前」と子育てファミリーにとって魅力的な要素を多く備えています。そのため、似たような価格帯であれば「戸建てを選ぶ」という判断がされやすく、駅遠マンションは相対的に選ばれづらいです。
もちろん住まいとして気に入ったならそれが最優先ではありますが、万が一売却を検討する際に苦戦しやすくなる可能性は理解しておきましょう。例外としては、駅近にマンションが少ない街や駅遠でも戸建てが少ない街です。具体例としては、海浜幕張駅の幕張ベイタウン・ベイパークや勝どき駅の晴海フラッグなどが当てはまります。
旧耐震マンション
1981年に建築基準法が改正され、耐震基準の見直しが行われました。耐震基準とは建物が地震の揺れに耐えうる能力を定めるものです。1981年以前の基準を旧耐震、以降を新耐震と呼びます。旧耐震では震度5程度の地震に耐えられることが求められているのに対し、新耐震では震度6~7程度の地震に耐えられることが求められています。(※判定基準はマンションが完成した竣工年ではなく、建築確認済証の交付日が1981年6月1日以前か否かがポイントになります。竣工が1982年のマンションであっても、旧耐震基準であるケースがあるため、1981年前後の物件は仲介会社等への確認をおすすめします)
そんな旧耐震マンションのデメリットは大きく2点です。1点目は建物倒壊のリスクです。国土交通省は特設サイト〈https://taishin-kaishu.mlit.go.jp/〉を作ってまで、大地震から命や財産等を守るために住宅の耐震化を図ることが必要であると訴えており、旧耐震の建物に対する耐震改修や建て替えを推奨しています。下図は2016年に起きた熊本地震における住宅の築年数別被害状況です。
建築時期による木造住宅の被害状況
サンプルが木造住宅となっているため、コンクリートで造られるマンションと同様ではありませんが、旧耐震と新耐震では被害状況に大きな差が出ています。
地震大国である日本において地震のリスクは避けて通れません。建物倒壊の可能性が高いことは、購入検討者にとって大きな不安材料となり、結果として次の買い手が絞られます。
2点目は、住宅ローンが組みにくいことです。銀行が住宅ローンの融資を行う際は、万一返済が滞った際に備え、物件を担保として確保する抵当権を設定しています。旧耐震の建物は倒壊リスクが高く、抵当権を設定する銀行にとっても担保価値が不安定です。結果として、旧耐震基準の建物に対して融資を行わないルールがある銀行もあります。また、融資可能でも築浅のマンションと比べて融資額が伸びないケースもあります。
リセールバリューの観点では、次の買い手がどれだけ多くいるかが非常に重要です。
次の買い手も住宅ローンを使って購入する可能性が高いため、銀行が限られたり、融資額が伸びづらかったりすることはマイナス要素になります。
旧耐震マンションは、物件価格そのものは安く売られていることも多く、「価格の割に立地がいい」と感じるケースもあります。住まいとしてハマる人がいるのも事実です。ただし、「安さが魅力」の物件は、次に売るときも価格重視の買い手に限られやすくなる点には注意が必要です。物件価格を抑えて好立地に住めることはメリットでもあるので、旧耐震のリスクを十分に理解した上で、メリットの方が大きいと判断されるのであれば問題はありません。

