墨田区の中古マンション事情を解説(写真:イメージマート)
交通の利便性が高く住みやすいにもかかわらず、比較的割安に中古マンションを購入できる狙い目のエリアを『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)の監修者で、不動産ジャーナリストの榊淳司氏が詳しく解説していく本シリーズ。東京23区の東部に位置する墨田区にフォーカスしていく。
都心へのアクセスに優れ、下町エリアも多い
墨田区は、隅田川を挟んで台東区と向かい合い、東側は荒川や旧中川に接している。区内は全般的に低地で高低差が少なく、江戸時代から庶民の街として発展してきた歴史を持つ。もともとは農地が広がる地域だったが、1657年の明暦の大火(振袖火事)で江戸市街地が壊滅したことをきっかけに開発が進んだ。武家屋敷や町屋、代官所などが移転し、両国の相撲興行や隅田川花火大会など、江戸文化を象徴する街として発展した。
その後、関東大震災や東京大空襲によって大きな被害を受けたものの、戦後は住宅地や町工場が集積する産業の街として復興し、2012年には東京スカイツリーが開業している。交通利便性も高く、JR総武線(各駅停車)のほか、東京メトロ半蔵門線、都営浅草線、新宿線、京成押上線、東武スカイツリーラインなどが区内を走る。都心へのアクセスに優れながら、下町の雰囲気を残すエリアが多いことも特徴だ。
墨田区の中古マンション平均価格(70平米)は6718万円で、23区内では14位(過去3か月の間に「LIFULL HOME’S」に掲載された物件の中から同社が独自に集計した平均価格。2026年4月1日現在)。都心近接エリアとしては比較的手が届きやすい価格帯にあり、エリアごとの特徴や価格差も大きい。
区内を大きく分けると、商業施設が集積する「錦糸町エリア」、国技館を中心とした「両国エリア」、東京スカイツリーを擁する「押上・吾妻橋エリア」、そして下町の風情が色濃く残る「向島・曳舟・京島エリア」に分けられる。近年はマンション価格の高騰が続いてきたが、『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)の監修者で、不動産ジャーナリストの榊淳司氏は、「不動産市場は転換点を迎えつつある」と指摘する。
「これまでのように、値上がりを期待して中古マンションを購入するのは、リスクが高くなりつつあります。仮に資産価値が剥落したとしても、“住まい”としての本質的な価値があるかどうか、コスパがいいかどうかを見極めることが大事になっています」(以下、「」内は榊氏のコメント)
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