中国人購入者の行動が問題になるケースも(写真:イメージマート)
都心のタワーマンションへの外国人投資が急増してきたなか、マンション内でのトラブルも目立ってきているという。不動産事業プロデューサーで、『外国人不動産問題』(祥伝社新書)の著者・牧野知弘氏(オラガ総研代表)は、湾岸エリアのタワマンで「中国人の所有割合が半分近いといったマンションが既に出てきています」と指摘する。
「そうしたマンションでも、管理規約や管理組合の総会資料は多言語化されておらず、重要事項説明書も日本人向けに作っているだけ。取引前の説明でも日本の生活習慣などについて触れていないわけですよ。管理費や修繕積立金も支払わないケースまで出ているといいます。これは不動産業界側にも問題があって、売るんだったらちゃんと説明するべきで、今のやり方はあまりにも乱暴というのが私の意見ですね」(牧野氏、以下同)
中国人の購入者の行動の問題点について多く報じられている物件が、中央区の東京五輪選手村の跡地に建つ晴海フラッグだ。
「違法民泊が横行していることや、マンション住戸内に旅行者向けの中華レストランが開設されている疑いが報じられています。食堂を開設するには本来、保健所の許可も必要ですし、配管や匂いの問題も出てきます。ただ、問題が深刻なのは摘発が難しいことでしょう。
特定の部屋が中華レストランになっているという情報をもとに踏み込んでも、そこのオーナーなり賃借人が“友達に食事を振る舞っていただけ”だと言えば何もできないし、民泊にしても“たまたま友達が来ていただけ”といった言い逃れ方が可能で、現場を抑えるのは非常に難しい」
さらに難しい局面を迎えている物件もあると牧野氏は言う。
「たとえば、管理組合の幹部も中華系になっているマンションもあります。そうした状況を避けたいという日本人が少しずつ出て行って、空いた部屋を買って入ってくるのも中華系になると、いわゆる業界で言う“中華まん(中華マンション)”になっていくわけです。長い時間軸のなかでは、いずれ新しい中華街になっていく可能性もあるでしょう」
解決のための処方箋は
牧野氏はこうした問題に対応するための処方箋をいくつか提言する。
【プロフィール】
牧野知弘(まきの・ともひろ)/東京大学経済学部卒業。ボストンコンサルティンググループ、三井不動産などを経て独立。オラガ総研代表取締役としてホテルなどの不動産事業プロデュースを展開する。著書に『街間格差』(中公新書)、『外国人不動産問題』(祥伝社新書)などがある。
