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加賀まりこも作った「事実婚夫婦の遺言書」 “愛の証”であると同時に残されたパートナーを守る役目

同居のタイミングで作成を提案

 もちろん遺言書は、ふたりの絆を深めるという心情的な効果のみならず、残されたパートナーを守るという実務的な役目も果たす。

「どんなに長期間夫婦同然の生活をしていても、相続の際には戸籍のみが判断材料になるため、戸籍に記載のない事実婚のパートナーは“赤の他人”と見なされます。生前のふたりの関係性を証明し、パートナーの権利を保全するためには、加賀さんのように遺言書を作成するしかありません」(曽根さん・以下同)

 遺言書がなければ、遺産相続の権利は法定相続人にしか認められない。

「自分の死後とはいえ、長らく人生を共にした相手に何も残せないどころか、トラブルに巻き込んでしまいます。

 たとえば共同名義でマンションを購入し、そこで同居生活をしていた場合でも、パートナーは不動産の共同所有者ではあるものの、相続人にはなれません。法定相続人が不動産の権利を持つことになり、パートナーが思い出の部屋で暮らし続けるためには、場合によっては法定相続人から権利を買い取らなければならない。法定相続人との話し合いなどの精神的負担に加え、経済的負担も背負い込むことになります」

 買い取り交渉がうまくいかなかったり、売却を巡り共同所有者である相続人と揉めたりと、争いごとが起こるのは容易に想像できるだろう。

 いまはお互いに元気でも、いつどうなるかわからないのが人の命。だからこそ、「事実婚関係にある人は、早めに遺言書を作成しておく方がいい」と曽根さんは話す。

「家の購入など不動産を共有で持つタイミング、あるいは同居するタイミングで遺言書を作成するのが望ましいです。お金の話は言い出しにくいものですが、“私も遺言書を作るから、一緒に内容を確認しながら作りたい”と提案し、対等な中身であることを確かめ合いながら作成するのがいいでしょう」

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