コロナ禍でコンサートに足を運びやすくなった
コンサート鑑賞ルールが緩和されることによって、浮上してくる座席ガチャ問題。誰もが楽しく鑑賞できるように、対策されることはあるのだろうか。前出・大塚氏が説明する。
「女性アイドルグループの大規模なコンサートでは、立って鑑賞できる通常の座席だけでなく、着席して鑑賞するための座席を設けているパターンもよくあります。小さな子供を連れている観客や高齢の観客のほか、コンサートに初めてくる人などが、着席鑑賞席を利用することが多いようです。
ちなみに、コロナ禍によって、全席が着席鑑賞席となった結果、それまでコンサートに行かなかったファンが足を運びやすくなったと言われています。特に女性アイドルのコンサートでは、コロナ禍以降、女性ファンが増加傾向にあるようです。
そういった状況もあるので、鑑賞ルールが緩和された後でも、着席鑑賞席の需要はコロナ前よりも高まっていると見ることもできます。つまり、鑑賞ルールを一気に緩和してしまうと、コロナ禍で増えたファンが離れてしまう可能性もあるわけです。今後は、主催者としても、通常の座席と着席鑑賞席を上手く配分し、いろいろな楽しみ方に対応していく努力が重要になってくると思います」
高いチケット代を払ってコンサートに行くのだから、周囲を気にすることなく存分に楽しみたいところ。観客側はマナーを守ってほかの観客に迷惑をかけないようにするのは当然だが、同時に“座席ガチャ”のリスクを減らすための主催者側の工夫も必要になっていくのかもしれない。（了）
