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運転手高齢化に加え2024年問題も 「路線バスの減便・廃止」が日本社会に及ぼす致命的な影響

大阪府富田林市などで運行する金剛自動車は12月に全路線のバス事業を廃止すると発表している(時事通信フォト)

大阪府富田林市などで運行する金剛自動車は12月に全路線のバス事業を廃止すると発表している(時事通信フォト)

 来年4月からの制度改正でトラックやバス、タクシーの運転手不足が懸念されている「2024年問題」。だが、すでに人手不足の影響は深刻化している。とりわけ地域住民にとって一番身近な交通手段である路線バスの廃止・減便は、日々の生活にも直結する大問題だ。課題解決の糸口はどこにあるのか──。『未来の年表』シリーズ著者で、人口減少や経済活性化などの問題に詳しい河合雅司氏が解説する。

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 地域の足として最も身近な存在である路線バスが崩壊し始めている。路線の廃止や減便が広がってきているのだ。

 路線バスの縮小は今に始まった話ではない。国土交通省の資料によれば、2008年度から2022年度までに2万733キロが廃止となった。

 これまでは過疎エリアが中心で、人口減少やマイカーの普及に伴って利用者が減り、慢性的な赤字に陥って持続できなくなるというのが主たる理由だったが、近年は事情が変わってきた。東京23区を含む大都市圏でも路線の廃止や減便、始発時刻の繰り下げ、終バス時刻の繰り上げが目立つ。

 大阪府富田林市などで運行する金剛自動車に至っては、12月20日をもって路線バス事業そのものを廃止すると発表した。大都市の近郊でも事業として成り立たなくなってきている。

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