トンカツにはやっぱりソースがほしい(イメージ)
飲食店のなかには、独自のルールやこだわりを持つところもあり、しばしば客とのトラブルが生じるケースもあるようだ。これまで散々飲み屋に通い続けてきたネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、「店のルールとカネを払う客」が衝突しないためにどうすべきか、について考察する。
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先日、盛りが良い店として知られるラーメン二郎の某店が、食べるスピードが極端に遅い客が最近増えたとし、20分以内に食べるよう求める投稿をXにしたことが話題になりました。これに対して高圧的だ、好きに食べさせろ、といった批判意見が多数寄せられ、投稿を削除する羽目に……。しかし、二郎のファンに限らず「店なりの考え方があるのだから、そのルールに従うべき」という声も出ています。
この手の話は、店の人、そして常連客からすると「決まったルールには従うべき」「施設管理権がある」といった話になります。串カツ屋の「ソース二度漬け禁止」なんてその最たるもの。よほどルールが珍妙だったり、世間の常識と乖離していない限りは、「ルールは守れ」派の方が筋が通っているわけで、文句を言う側の分が悪い。「イヤなら別の店へ行け」で終わる話ですから。
ルールについては「お酒を飲まない人お断り」という店もあります。酒と合わせることで最高の飲食体験になる、という考えを店主が持っているのかもしれません。あとは利益率のこともあるかもしれませんが。
「子ども連れNG」という店もあります。子どもが騒いで店の雰囲気が悪くなる、と店主が考えることもあるでしょうし、喫煙可能な店には未成年は入れない、という条例の存在が理由だったりもするでしょう。
今の時代、入店禁止と言われたら、報復でグルメサイトのレビューで★1つをつけ、「おいしいと評判だったから行ったのですが、『お酒を飲まない人はお断り』と苦々しい顔で言われました。感じが悪過ぎるのでもう二度と行きません」などとコメントを書いたりするケースもあるようです。
フードジャーナリストの東龍氏が6月22日にYahoo!に投稿した《“お断り”の手段を尽くしても「お酒を飲めない人」が来る……和食店主の「悩みや戸惑い」に賛否の声》というオーサー記事も、こうした店のルールの話でした。とある和食店が「店頭の張り紙」「ウェブ予約時の同意ボタン」「電話での説明」「メニューへの明記」で“お酒が飲めない人はお断り”という旨を伝えても、どうしても来てしまう客がいることの苦悩を報告しています。