お金の「長生きリスク」と対策13
修繕積立金の徴収がある分譲マンションと異なり、戸建てでは自ら備える必要があるが、大きな修繕は費用も膨らみがちだ。少しでも負担を軽減する策はあるのか。
「住宅設備が壊れる前から日常のメンテナンスを欠かさないことが最重要。『壊れたら直す、交換する』のではなく、劣化が軽微なうちにピンポイントで補修するなど予防的な処置を続けることで、長期的に大きなコストダウンができます」
築30年を超える木造住宅はバリアフリー非対応の物件が多く、玄関の上がり口などの「段差」や「急な階段」は住人の高齢化と同時に住まいのリスクに変わっていく。
「段差に躓いたり、階段を踏み外すなどで転倒し、それまで元気な人が要介護状態へと急転することは珍しくない。自宅に住み続けるなら、手すりの設置や自宅内の段差を解消するなど早期の対策が必須です。バリアフリー工事に補助などがある自治体も多く、工事前の確認が推奨されます」
山本氏が「戸建て特有の弱点」と指摘するのが、「立地のリスク」だ。
「日本の都市計画上、駅周辺に商業施設やマンションが集中する傾向があり、戸建ては駅から離れた郊外の立地になりやすい特徴があります」
閑静な郊外での生活は、高齢になり車に頼る生活が難しくなると一変する。スーパーや病院など日常生活に欠かせない外出でも、大きな不便が生じるのは免れないからだ。
「そうした状況を見据え、利用施設までの車や自転車に代わる交通機関や徒歩経路、所要時間などをあらかじめ把握し、元気なうちから徐々にマイカーに頼らない生活を始めておくとよいでしょう」
※週刊ポスト2026年6月5・12日号
