再開発で人気化する「大井町」よりも人口増加が期待される周辺の街も
東京23区を中心に、首都圏の新築マンション価格の高騰が続くなか、これまでは資産価値の上がる物件を購入すれば、買った時よりも高い値段で売れ、それを元手にさらに高額なマンションに移り住むことができた。しかし、そうした時代は終わりを迎えつつあり、マンション選びの視点を改める必要があるという。23区での中古マンション選びの際にポイントとなる鉄道沿線の駅の特徴を『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』などの著書がある、マンショントレンド評論家の日下部理絵氏に、詳しく解説してもらった。
「団塊の世代が80歳代以上になる2030年以降、相続された物件が売りに出され、中古マンションの供給が増えて、値下がりするフェーズに入ると考えられます」(以下、「」内は日下部理絵氏のコメント)
相続税には申告・納付期限があるので、現金化を急ぐ人は、相場よりも安い価格で売りに出すこともある。投資物件で賃貸に出していたマンションを相続した場合も、相続人が管理の負担を嫌えば売りに出される。そうした取引が積み重なっていくと、中古の在庫がだぶつき、価格の下落を引き起こす要因になりうるという。
「もう先が長くないから、築年数の古い安い物件でいい」は危険
では、これからのマンション選びで何が求められるのか。
「従来の『駅徒歩7分以内』といった『資産価値』重視の基準だけにとらわれず、自分たちにとっての『居住価値』をどう定義するかが重要になります。極端な例ですが、駅から遠くて、近隣の大きなショッピングモールなどの特定施設に依存しているエリアは、近い将来、値崩れしていく可能性がありますが、逆に、テレワークが増えて通勤頻度が少なくなった人にとっては、格安の物件を購入できる狙い目エリアになるかもしれません。居住価値をどこに見出すかで基準が変わります」
そうはいっても、購入した物件に資産価値がなくなり売れなくなったら、子供に“負債” である“負動産”を押し付けることにならないだろうか。
「その通りです。よく年配の方で『もう先が長くないから、築年数の古い安い物件でいい』とおっしゃる方がいますが、これは危険な考え方です。住居は自分が死んだ後のこと、つまり相続までを視野に入れて購入する必要があります。もし売れない、貸せない物件を遺してしまえば、子供はただ管理費等や固定資産税などの維持費だけを支払い続ける負債を引き継ぐことになります。特に東京の物件は維持費も高額になるため、常に数年後の売却や活用を想定した『出口戦略』を持っておくことが不可欠です。ですから、資産価値と居住価値のバランスが大事なのです」
中古は経年で資産価値が下がるというのが前提ではあるが、では、あまり資産価値が下がらないエリアで、かつ自分にとっての「居住価値」を追求していくマンション探しの方法はあるのだろうか。
「予算に合わせて納得のいく住まいを見つけるための戦略として、“駅ずらし”という方法があります。たとえば、希望する最寄り駅で予算が合わない場合、隣の駅に目を向けたり、沿線を少しずらしたりすると、希望する条件に合う物件が見つかることがあります」
マネーポストWEBでは不動産データをAIで分析するリーウェイズ社が算出した「駅ごとの10年後の人口増減予測」を基に、東京都で10年後の人口増数が多い順に駅別ランキングを作成した。人口増減は不動産価格の動向に直結する要素で、10年後の発展を見通すランキングとなる。リーウェイズ社は5億件超の物件データをもとに不動産市場をAIで分析。さらに、国土技術政策総合研究所の「将来人口・世帯予測ツール」(2024年公表)を活用し、2025年から2035年までの人口増減を予測している。
日下部氏は、この駅ランキングをもとに“駅ずらし”の具体的な方法を解説していく。
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