「追納」「任意加入」「付加年金」「繰り下げ」
まずは、年金額に“マイナス”があるなら、それを埋めること。具体的には、国民年金保険料の未納分があれば、過去2年以内までは遡って「追納」し、満額に近づけることができる。ファイナンシャルプランナーの飯村久美さんが言う。
「追納しても足りない場合は、60才以降に国民年金に『任意加入』して年金保険料を65才まで納めることで、国民年金を増やせます。厚生年金は70才まで加入できます。
現役なら『付加年金』といって、国民年金保険料に月400円を上乗せすることで、将来の年金額を増やせます。2年以上年金を受け取れば元が取れます」
満額からさらに増やすには、受給開始時期を遅らせる「繰り下げ」を検討してみよう。受給を1か月遅らせるごとに0.7%ずつ増額されるので、最長の75才まで10年間繰り下げると、受け取れる年金額は額面で184%にまで増える。
「女性は長生きしやすい傾向にあるので、繰り下げるなら『70才』が1つの目安になります。
ただし、繰り下げるということは“年金を受け取れない時期”を延ばすことでもあります。その間の生活費をどうやって確保するかは重要な課題です」(飯村さん・以下同)
「厚生年金加入」で効率的に増やせる
夫婦揃って繰り下げれば、もちろん世帯の増額効果も大きい。だが、夫の年金を繰り下げるときは、より慎重な検討を。男性は女性に比べて平均寿命が短く、繰り下げすぎると年金を受け取る前に亡くなったり、受け取り始めてもすぐに認知症などの病気になって自分で年金を使えなくなってしまう可能性がある。
「目安になるのは、ある年齢まで生きた人があと何年生きられるかを計算した『平均余命』です。2024年の65才男性の平均余命は19.47年なので、65才以降の男性の平均的な寿命の『84才』前後が現実的ということ。
70才まで繰り下げるなら、82才よりも長生きすれば65才から受け取った場合よりも受給総額が大きくなります。75才まで繰り下げるなら、87才を超えて長生きしなければ損になります。健康状態や家計、仕事、妻の繰り下げなど、トータルで考えて判断しましょう」