老後資金のその“常識”は本当に正しいのか(イメージ)
現役時代に比べて収入が大きく減少する老後は「きちんとした備え」をしておかなければ、老後貧乏一直線だ。しかし、あらゆる備えにはいろいろな選択肢がある。間違った知識で選んでしまえば、よかれと思った備えがかえって老後生活を苦しめることになりかねない。自分にとっての正解は何か。マネーのプロたちの金言をヒントにしよう。【老後資金の「ウソ常識」25選・前編】
「老後2000万円問題」は過去のもの?
埼玉県に住むAさん(仮名)が言う。
「まもなく夫婦で還暦を迎えます。こつこつ節約して『老後2000万円』もクリアするくらい貯金はあるし、残りの住宅ローンも夫の退職金で完済します。あとは年金をもらいながら、老後はのんびり過ごせるね、と話しているところです」
“誰もがうらやむ完璧な老後準備”だと思う人は多いだろう。しかし、そもそも目指してきたゴールが間違っているかもしれない。ファイナンシャルプランナーの横川由理さんが解説する。
「いわゆる『【1】老後2000万円問題』が取り沙汰されたのは、物価の下落が続くデフレの渦中だった2019年。それから7年が経ち、日本経済成長率は平均で年2.8%のインフレ基調です。物価上昇を加味すると、当時の2000万円は、現在では約2500万円が必要という計算になります」
世間で耳にする「老後資金」の正解には、そのように時間の経過とともにズレが生じたり、そもそも誤ったものも少なくない。「ウソ知識」に頼っていては、老後の生活に行き詰まってしまうリスクがあるのだ。
