マンション価格が高止まりするなか、購入に慎重な姿勢を見せる人もいる(写真:イメージマート)
首都圏ではマンション価格の高騰によって、購入に必要な世帯年収の水準も上昇している。不動産調査会社・東京カンテイの調査によると、2025年に新築マンションの供給があった首都圏の対象285駅のうち、購入に必要な世帯年収の目安が1000万円以上となる駅は61.4%に達した。一方、都心の中古マンション市場では価格調整が進んでいる。同社によると、2026年9月の都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)の中古マンションの売り希望価格(70平米換算)は、前月比1.6%下落の1億7786万円と5か月連続で値を下げた。これまでのように「高く買っても、さらに高く売れる」という期待が揺らぐなか、マンション購入希望者の行動にも変化が生じている。
不動産インフルエンサーのニイゴ氏は、首都圏のマンション情報を日々チェックし、購入希望者からの相談にも応じている。そうした活動を通じて、買い手が以前より慎重になっていると感じている。もっとも、東京23区やその周辺の中古マンション市場が一様に冷え込んでいるわけではないという。特に買い手の心理に変化が表われているとみているのが、価格上昇が顕著だった東京湾岸エリアだ。
湾岸マンション「1億4000万円超」で買い手が慎重に
「中古マンション市場の冷え込みは、まず湾岸エリアから始まっていると感じています。晴海、有明、東雲、豊洲といったエリアですね。そこから、買い手の心理的な冷え込みがほかのエリアにも波及し始めているように思います。
買い手がいなくなったわけではありません。ただ、以前よりも購入を慎重に考えるようになってきたという印象です」(以下、「」内コメントはニイゴ氏)
ニイゴ氏が例に挙げるのは、有明のファミリー向けマンションだ。以前は1億1000万~1億2000万円程度で購入できる3LDKもあったが、価格上昇によって、自身が一つの目安にしている1億4000万円を超える物件も増えたという。
「有明は商業施設もあって、僕自身は住む場所として評価していたエリアです。ただ、物件価格が1億4000万円を超えるようになると、次に売るときのことが怖くなってきます。それで、途中からはそうした物件をあまりおすすめしなくなりました。マンションそのものが悪いわけではなく、価格が上がりすぎたということです」
ニイゴ氏によると、湾岸エリアの購入希望者には、居住目的に加えて、数年後の値上がりも期待していた人が一定数いたという。そうした層に変化がみられるとする。
