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田代尚機のチャイナ・リサーチ

物価上昇続く中国、実質的な銀行金利は日本よりも低い現実

2019年12月4日 7:00

 もっとも、中国のCPIは食料品、特に豚肉のウエイトが大きい。アフリカ豚コレラ発生の影響で供給が減ったため、10月の豚肉価格は101.3%上昇した。この影響を除いた物価上昇率は1.4%である。また、非食品価格の上昇率は0.9%に過ぎず、卸売物価指数(PPI)は▲1.6%下落している。こうした点を考慮すれば、そこまで深刻に考えすぎる必要なないかもしれない。

 景気に対する中国当局の政策、とりわけ金融政策が気になるところだが、その点について、中国人民銀行の易網総裁が雑誌「求是」(2019年第23期)で論文を発表している。そこでは、「貨幣価値を安定させるといった目標を堅守し、穏健な金融政策を実施する」と題して、次の2点を強調している。

【1】人民を以て中心とするといった発展思想を堅持する
 資産価値を安定させなければならない。適切な貨幣条件は財産価値の増加を促進するが、不適切な貨幣条件は貧富の差、金融リスクを拡大させ、社会問題を引き起こす。

【2】高品質の発展を推し進めるといった方針を堅持する
 経済発展の段階や構造調整の過程における経済成長速度の変化に適応しなければならず、総量政策の方向性、強度をしっかりと把握しなければならない。過度に引き締めれば、需要の収縮、景気悪化を加速させてしまい、過度に緩和すれば、歪曲した構造を固定化してしまい、債務を増やし、リスクを蓄積してしまう可能性がある。

 世界を見渡せば、日本や欧州では、ゼロ~マイナス金利政策、量的緩和政策から抜け出せない状態だ。アメリカは景気が堅調であるにもかかわらず、金融緩和を進めており、トランプ大統領はFRBに対してゼロ~マイナス金利政策を要求しているといった状況である。

 現状では、景気、物価、雇用は、中国人民銀行が中立の金融政策を堅持できるレベルを維持しているが、金融緩和に追い込まれた時こそ注意が必要であろう。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。

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